なにも判断をしない時間を過ごして頭を休めたい…。   
そう思い立ち、秋の箱根に出かけてきました。

行き先は箱根ポーラ美術館。
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目的は3つ。14C0043F-448E-4037-80E5-AD998ABC2323.jpeg 4.56 MB
モネ展を観る、ロニ・ホーン展を観る、そして森を歩く、です。 64C8DDED-A21D-415C-B2E2-4C7866715C56.jpeg 2.41 MB
では、よろしければお付き合いください。


■たったひとつの大きな光『モネ    光の中に』    2022年3月30日まで


外で絵を描くとき、そこには自然光があります。
でも、美術館に並ぶ絵画たちには、たくさんのライトがそれぞれの額に向けられている状態。
じゃあ、たったひとつの大きな光が、風景やカンヴァス、そして画家自身を包み込む状態を、絵と絵を見る人のあいだに再現してみよう!
そんな試みの展覧会。
建築家・中山英之氏による会場構成と、モネ作品が美しく調和していてとても心地よい空気感です。
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こんなふうに、モネ作品の飾られる滑らかな曲線の裏側はペパーミントグリーンぽい棚のようになっていて、その色合いも素敵なんです。

訪れた日の一番人気はこれ。
7F237479-8B7C-444D-88C6-F993130CCF53.jpeg 1.66 MB<睡蓮の池>
水面には周囲の木々が映り込み、画面全体がまばゆい光のグラデーションで満たされています。

夫の推しはこれ。
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<ヴァランジュヴィルの風景>
海と空に向かって開かれた高台の風景。リズミカルに並ぶ木々、木の間から望む遠い地平線。

私の一番はこれかな。67A4E246-43D4-44F8-8CC0-901779C59373.jpeg 1.43 MB
<ジヴェルニーの積みわら>
地面の輝く草、爽やかな強い日差し。背景には、風を受けてポプラ並木が青々と揺れています。


ポーラ美術館は、国内最多のモネ作品19点を収蔵しているんですよね。
季節や時間によって異なる表情を見せる移ろいゆく光を生涯追い続けたモネの作品たち。
それを「この新しい見せ方で見てほしいんだ!」という、企画した方たちの熱と愛を感じました。

個人的には、絵の横にタイトルやキャプションがないのが、すっきりしていて見やすかったです。
(そこに文字があると、つい読んでしまうので)


■透明な水を静かにたたえた「内省(Reflecyion)」のための水鏡『ロニ・ホーン展』 2022年3月30日まで

ロニ・ホーンは、出身地ニューヨークを拠点に約40年間にわたり活動を続けてきた、アメリカの現代美術を代表するアーティスト。

いずれも深く削ぎ落とされた形式で展開されてきたその作品は、写真、彫刻、ドローイング、本など多岐にわたり、きわめてコンセプチュアルでありながら凛とした詩的な美しさをたたえています。
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たとえば、ガラスの持つ液体の透明感と個体の重量感がパラドキシカルに共存した性質を魅せる彫刻。9FA7C2B6-5D3B-4C7B-80E4-1DD793556CB7.jpeg 1.27 MB
近くに寄ってみる。
ちょっと美味しそう…。
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さわってみたい…。(ダメです)


こちらは、エミリ・ディキンソンの詩をモチーフにした作品。
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日本語の詩は好きですが、英語の詩ってあまりふれたことがない。
エミリ・ディキンソン、アメリカの有名な詩人ですよね。
映画『パターソン』(2016年/ジム・ジャームッシュ監督/アダム・ドライバー主演)で知ってから気になっています。


その他にも、テムズ川の水面、アイスランドの島の地図や温泉に入る人、鳥の剥製など、ホーンの作品の多くが自然と結びついています。

中でも多くみられるモチーフが、「水」。

変化や循環、ひいては人間の精神のあり方や無常感を象徴する存在として、「水」に着目しているようです。
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水の中にあなたを見るとき、
あなたの中に水を感じる?
When You See
Your Reflection in Water,
Do You Recognize
the Water in You?
-展覧会ポスターより-


ポスターに使われているフレーズも、はじめは「なんのこっちゃ」と思っていたのですが、展示を見終わる頃には少しわかったような気持ちに…。

ひとつの概念が多様な作品へと姿を変えて現れ、多様な解釈を受け入れるホーンの作品のあり方も、環境や周囲との関わりによってしなやかに姿を変える「水」の性質を想起させます。

ホーンにとっては、生きることはすなわち考え続けることで、そのための手段として様々な制作をしているのだなと感じました。

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ホーンは決してソローのような隠遁者ではないし、彼女がこよなく愛する孤独の美学とは、自意識の森の奥深くに閉じこもることを意味しない。ロニ・ホーンにとって「孤独(being alone)」とは、透明な水を静かにたたえた「内省(Reflecyion)」のための水鏡である。
その制作の姿勢は、私たちにいまを生きるための叡智を垣間見せてくれるだろう。
-madame FIGARO japon 11月号より-

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疲れたら、館内のカフェで休憩もおすすめです。ガラスの向こうの紅葉がきれい🍁
アーティストとして生きるわけではなくても、ひとりぼうっとお茶したり物思いに耽ったり、内省の時間て必要ですよね。


■本当の休息とは?森を歩くのも瞑想のひとつかもA9688AA5-6899-48CB-B146-BC0FD514B3D9.jpeg 5.07 MB

続いて美術館の外、森の散歩道へ。

整備された遊歩道を歩き、ブナ・ヒメシャラが群生する富士箱根伊豆国立公園内の自然の中、野鳥のさえずりや時折姿を見せる彫刻作品を愛でながら、20分ほどの散歩が楽しめます。

ここの森が、いいんです。
すごく、休める。
目にも耳にも鼻にも肌にも、感じるものは360度、森。
マインドフルネスにはうってつけです。
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どれだけ休んでも疲れが取れないのは、あなたの脳が疲れているからでは?

マインドフルネスとは、「瞑想などを通じた脳の休息法の総称」。

(編集室でも、発足当初とその数ヶ月後に、モデルSHIHOさんによる瞑想イベントが2回ありました🌿)

「瞑想」と聞くとちょっと構えてしまったり、怪しげなイメージを持つ人もいるかもしれません。
スピリチュアル?みたいな。

「そんな面倒なことをしなくても、何も考えずにぼーっとすれば、脳は休まるんじゃないの?」と考える人もいることでしょう。

でも、脳の疲れは、身体の疲れとは違い、ただのんびりしても回復しづらい。

なぜなら、脳のエネルギーの60〜80%は、「ぼーっとしているときにも動き続ける脳回路(デフォルト・モード・ネットワーク」に費やされているから。

つまり、デフォルトモードネットワークの過剰な活動を抑えない限り、脳は何もしないでも疲れを溜め込んでいく。

ゆえに、デフォルトモードネットワークの活動を抑えることこそが、現代人にとっての「最高の休息法」である。

というわけです。
(参考:『世界のエリートがやっている 最高の休息法』より)


言われてみると、どれだけぼーっとしているときでも、私の頭の中にはいろいろな雑念が浮かんでは消えを繰り返している。
いわば、頭の中で絶えずおしゃべりがされているような状態。
この、脳のアイドリング中にうかぶ雑念こそが、脳疲労の最大要因の1つであり、その雑念を抑えることで脳を休ませるというのが、マインドフルネス瞑想の基本メカニズムなのだそうです。

瞑想は、雑念が脳のエネルギーを無駄遣いするのを防いでくれるというわけですね。
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私のヨガの先生いわく、瞑想とは心の状態であり、方法はなんでもいいのだそうです。
ただ、方法には合う合わないもあり、人それぞれに瞑想に入りやすい環境や方法があると。
なので、時間帯、場所、側に置くものなど、瞑想がうまくいったと感じる時の要素は、覚えておくといいそうです。

それでいくと、私は、森を歩くのがいいみたい。
この日も、夜にすごくぐっすり眠れました。

もともと、私は観察瞑想(ヴィパッサナ瞑想) が苦手。 
自分の過去、ろうそくの炎、自分の呼吸など、なんらかの対象を見つめるやり方の瞑想だと、見つめる私、見つめられる私……えーい、私私ってうるさいわー!となりがちです。

とどめておく瞑想(タマス瞑想)の方が休まるので好きだなと感じます。
歌や何かの文言、鐘の音、森を歩く、など、何かに集中して無になっていく感じ。

瞑想の目的地は「無」になって無意識に落ち込むことではなく、全てをあるがままに見つめて、見つめつつも心は風のない水面のように平らに保つこと。
なので、「無になって休まる♪」と喜んでいるうちは、まだまだ入口の初心者なのかもしれません。
現に、森から日常に帰ってくると、翌日から、また心は平らでない私です😅

でも、まずは休むのも大事だし、それには「五感を使う」っていうのが、いいのかもしれません。

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森を歩く前後に、美味しいものを食べたり、温泉に入ったり…。五感を使ってそんな時間を過ごすのもよいですよね♪

リトリートは、忙しい毎日を忘れて心と体を休め、リフレッシュするためのいわば非日常。
ときどきはそんな時間を楽しみながら、普段の生活にも、自分をよろこばせ今ここに集中する、五感を使ったたのしみを織り交ぜていくとよいのだろうなと思いました。

日常の中のよろこび集中おたのしみタイムをお持ちの方は、コメント欄でシェアして頂けたらうれしいです🌿

ではまた!