初めまして!きーちゃんです。

わたしは日本生まれ・日本育ちの日本人で日本の学校を卒業しました。現在はメキシコで子育て中。11歳の息子は、日本の公立小学校・アメリカの公立小学校・メキシコの私立インターナショナルスクールを経験しています。

ミモレ編集室には、わたしと同世代でお子さんがおり、学校教育にご興味がある方も多いのではないかと感じ、日本の学校しか知らなかったわたしが日本を出て感じたことを連載してみようと思い立ちました。良かったらコメントやフォローお願いします!

小学校で抱いた違和感

息子は就学前、都内にある公立の「こども園」に通っていました。そこは先進的な保育・幼児教育を志しており、子供たちが各々好きなことを自由にできるスタイル。息子を伸び伸びと育てていただきとても感謝しています。

教育熱心な土地柄もあり、同級生のほとんどは小学校を受験しましたが、わたし自身は画一的なお受験や母親を型にはめる国立小に魅力を感じなかったので、息子には受験させず区立小に進学することを選びました。(私立小は費用の面で検討すらしませんでした。)

晴れて迎えた入学式の日。体育館で式典が始まるのを待ちました。まだ肌寒さの残る空気の中、何十年ぶりに感じる小学校の雰囲気が懐かしかったことを覚えています。式に参列するしっかりした様子の6年生を見て、息子もこんな風になるのかなと感慨深い気持ちになりました。

式が始まり、可愛らしい新1年生の入場。感極まるシーンになるはずが、正直わたしはぞっとしました。あどけない子供たちが、体育館の床に引かれたコートの線に合わせて、きっちり90度に曲がり行進していたからです。

この日の朝に登校してから、ものの数時間で軍隊のような行進を仕込まれている…ついこの間まで、のびのびと好きな遊びをして過ごしていた子供の姿とはあまりにもギャップがありました。そして、おそらく先生方は5、6歳の子供が一糸乱れぬ行進をすることを「良いこと」「理想的なこと」だと捉えている。そのことが気味悪かったのです。
子育て中の友人の間でよく話に出る「幼児教育は、新しい取り組みをしているような保育園・幼稚園も多く、いろいろな選択肢があるけれど、小学校になると一気に魅力的な学校がなくなる」という現実をまざまざと感じました。「発達に合わせて子供を伸び伸びと育てる」ことが日本では難しいのかもしれない…

THE 管理教育

親としては衝撃の入学式でしたが、息子は新しい環境にも慣れ、なんだかんだ楽しく通っていました。そして訪れた運動会の日。そこでわたしは何十年ぶりの「管理教育」を目の当たりにします。

校庭が狭い学校だったので、保護者がゆったり座って観覧できるスペースはなく、わたしは息子のクラスの観覧席の後ろに立って見ていました。子供たちの観覧にはルールがあり「座って応援する」「飲み物は先生が指示したとき以外は飲んではいけない」というものでした。

他の学年の徒競走が始まりました。息子のクラスは白組だったので、子供たちは白組の生徒に声援を送ります。盛り上がる中で、担任のおじいちゃん先生が「今、◯◯さんが立ち上がったから白が負けたんだ」「△△さんが水筒を飲んだから白が勝てなかった」と生徒たちに向かって言うのが聞こえました。思わず耳を疑いました。

当然ですが、徒競走の勝ち負けと応援席のルール違反は因果関係がありません。このジジイ、嘘で子供を脅して言うことを聞かせようとしてる!?!?(急に口悪い)

先生の思惑通り、生徒たちは立ち上がる子や水筒を飲もうとする子に対して自ら注意を始めます。恐ろしいと思いました。

そもそも、熱中症が心配されるようなお天気で自由に水分補給できないルールがおかしいし、大人だって興奮して大声を出したり立ち上がったりするスポーツ観戦で、子供の自然な反応を押さえつけるルールもわたしには理解できません。このルール自体が子供のためではなく、先生方の「管理しやすさ」「保護者への見栄え」のためでしかないと思います。

運動会終了後のアンケートで、この先生の言動に疑問を感じたことを書きました。しかし、問題はこの先生ひとりではなく、わたし含めて日本の人々に刷り込まれてきた「学校教育」そのものにあると感じました。その後、息子を海外の学校に通わせるようになり、それは確信に変わります。

つづく